釣りたて新鮮な魚の刺身が食べられるというのは釣り人の特権ですよね。
食べ切れなかったものは後日に焼いたり、煮たりして食べると思いますが、魚を美味しく食べる為の塩の役割について今回は紹介したいと思います。
魚になぜ塩を振るのか
魚を焼くときに塩をふる必要があることは、普段料理をしない人でもなんとなく知っていることだと思います。塩味の効いた焼き魚はごはんによく合いますが、焼き魚において塩は味付けの為だけに使うわけではありません。
魚臭さをとることができる
塩を振る理由として魚の臭みを取るというのがあります。塩を振る理由として多くの人が知っていることだと思います。
なぜ塩をふることで魚の臭みがとれるのかというと、それには浸透圧が関係しています。身に塩をふりしばらく置くと身の表面から水分が出てきます。その水分と一緒に魚臭さが身の外に出ていくので、塩を振ることで魚の臭みを取ることができるんです。
塩を振るときのコツは魚から20cmほど上から振り塩をして、身に均等に塩がかかるようにすることです。置き時間は時間がない時には10分ほどでもいいですが、20分から1時間置くのが理想的です。特にサバやアジなどの青物は白身の魚に比べて臭いが強いので、置き時間は長めにとることをオススメします。
身から出た水分はキッチンペーパーでしっかりと水気をとるようにしてください。水洗いする場合も同様で、洗った後はしっかりと水気をとるようにしてください。
身のたんぱく質に作用する
どのような作用があるかと言うと、塩にはたんぱく質の熱凝固を促す作用があります。それにより身の表面が早く焼けることになり、旨みを外に逃がさないようにできるんです。
外はカリッと中はしっとりとした焼き魚にする為には塩は欠かせません。
尾びれや背びれが焦げるのを防げる
焼く前に尾びれや背びれに塩を多めに塗っておくことで、ヒレが焼け焦げるのを防ぐことができます。これを化粧塩といい、出来上がりの見た目がいいので魚の丸焼きに用いられる和食の料理法です。お正月用の鯛の姿焼きなどは時期になるとスーパーに並んでいるので見覚えがある方も多いと思います。
腐るのを予防しながら熟成できる
今では熟成肉が流行っていますが、昔からある魚の美味しい食べ方として、魚を冷蔵庫で寝かして熟成させてから食べることがあります。
一晩寝かせた魚は刺身にするとコリコリとした食感からしっとりとした食感に変わり、一晩寝かせて熟成させることで旨みも増して美味しくなります。
TVのドキュメント番組で見た有名な寿司職人は寿司ネタによって1週間以上寝かせることもあると言っていました。
ふきんをこまめに交換しながら身から出る丁寧に水分をとっており、腐敗に至らない絶妙な品質をプロの見極めで最高の状態を引き出していたんです。
素人の趣味レベルの料理でそこまで徹底した管理は難しいかもしれませんが、釣りたての魚が手に入れば、塩を振り一晩寝かせるだけで魚の旨みを引き出すことは、素人でも可能です。
熟成させる為に魚を寝かせるときは冷蔵庫で保管し、キッチンペーパーで水分をきっちりととるようにしてください。キッチンペーパーを使って水分をとるだけで、魚の臭みを取りつつ旨みを引き出すことができますよ。